「健康経営銘柄2019」は2019年2月21日に35社が選定されました。
当初は37社との発表でしたが、2社が選定対象外となったため、最終的に35社が認定企業となっています。
第5回目となる「健康経営銘柄2019」では、これまでの4回と比べ、どのような変化があったのでしょう。

今回の記事では、「健康経営銘柄2019」選定企業の傾向と、各社の健康経営の取り組みの実例をご紹介します。

Contents

「健康経営銘柄2019」選定企業の傾向

まずは、「健康経営銘柄2019」に選定された企業の傾向についてご紹介します。

「1業種1社」ルールが緩和され選定企業が一気に増加(「健康経営銘柄」 選定企業数)

「健康経営銘柄2019」では、「健康経営銘柄2018」までの「1業種1社」ルールを基本としつつ、「各業種で最も高い健康経営度の企業の平均を算出して、その平均より高い企業も選定する」こととなりました。

そのため同業種で選定される企業が増え、2018では26社だった選定企業数が、2019では35社と一気に増加します。

「健康経営銘柄」選定企業数
表1:「健康経営銘柄」選定企業数

回答企業数が急増(「健康経営度調査」回答企業数)

今回の「健康経営度調査」回答企業数は1,800社と、前回から561社も増加しました。
特に非上場の回答企業が、521社から941社へと倍近くになっています。

「健康経営優良法人」認定が「平成28年度 健康経営度調査」から始まったことで、「健康経営優良法人」認定を目指す非上場企業が年々増えているようです。
(「平成30年度 健康経営度調査」に回答した企業の中から、「健康経営銘柄2019」・「健康経営優良法人2018」が選定されます)

「健康経営度調査」の回答企業数
表2:「健康経営度調査」の回答企業数

初選定が15社、5年連続が6社(「健康経営銘柄」選定回数)

「健康経営銘柄2019」選定35社のうち15社と、約4割が初選定です。
「1業種1社」ルール緩和により、「健康経営」に優れた業種ではトップ以外の企業も選定されるようになったためといえます。

選定回数企業数
初選定15 社
2回目5 社
3回目5 社
4回目4 社
5回目6 社
表2.「健康経営銘柄2019」選定企業の選定回数と企業数

業種では「電気機器」が最多の5社

選定された企業で、最も多い業種は「電気機器」で5社でした。
次いで「情報・通信業」と「保険業」がそれぞれ3社、「銀行業」が2社となっています。

業種内で多くの企業が選定されることで、その業種のイメージ向上にも繋がりますね。


健康経営宣言

ここからは、選定された35社が実際にどのような取組を行ったのか、実例をご紹介していきます。
まずは各社の「健康経営宣言」です。

「健康経営宣言」の策定

選定35社中24社が「健康経営宣言」を策定し、ウェブサイトなどで公表しています。
他の11社では、「健康づくり」が行動基準や企業理念に含まれていたり、中期経営計画の重点取組としている企業があります。

日本水産西松建設大王製紙古河電気工業などほとんどの企業で「健康経営宣言」または「健康宣言」の名称ですが、次の2社は名称が異なります。

健康経営宣言の内容

「健康経営宣言」内容の実例をご紹介します。

広島銀行の健康経営宣言

広島銀行では、2018年3月に策定した「健康経営宣言」を公表しています。
また「健康保持・増進への取組み」・「明るく働きがいのある職場づくり」・「地域社会への密着と貢献の推進」を重点取組み項目として、同様に公表しています。

堀場製作所の「こころとからだの健康づくり」宣言

堀場製作所では2012年5月に宣言を策定しており、他社に先駆けて健康経営に取り組み始めていたことがわかります。
このように、各社が「従業員の健康づくり」に取り組み始めた時期も「健康経営宣言」から確認することができます。


専任部署の有無

ここでは、中心となって健康経営を推進する「専任部署の有無」についてご紹介します。

専任部署をもつ企業は16社

「健康経営銘柄2020」選定企業40社の中で、中心となって健康経営を推進する「専任部署」を持つ企業が16社あります。
たとえば次のような部署です。

  • 人事部 健康推進センター【古河電気工業】
  • グッドコンディション推進室【ヤフー】
  • 人事部 健康管理推進室【MS&ADインシュアランス】
  • CHO室【ディー・エヌ・エー】

推進体制と役割を明確に公表【MS&ADインシュアランス グループ】

専任部署を持つMS&ADインシュアランス グループでは、それぞれの役割まで記載してウェブサイトに公表しています。
こういった詳細な情報があることで、企業の「健康経営への力の入れ方」が伝わります。

健保組合とコラボヘルス推進チームを構築【古河電工】

古河電工では、専任部署の健康推進センターが健保組合とコラボヘルス推進チームを構築。
会社の健康づくり活動と健保の保健事業との連携を進め、産業医・産業看護職の意見を反映する検討会を開催しています。


取り組みの成果と報告

健康経営の成果については、多くがウェブサイトに記載していますが、健康白書を発行している企業やIR資料にも記載しているケースもあります。

①ウェブサイトで実績値などを公表

多くの企業がウェブサイトで成果を数点報告していますが、詳細なデータを公表している企業もあります。

健康関連実績値19項目を公表【KSK】

KSKは、ウェブサイトで2015~2018年度の健康関連実績値19項目を公表しています。
喫煙率は0%、定期健診受診率は100%を維持し、他の値も順調に改善されていることがわかります。

健康関連以外のデータも多数公表【ヤフー(現 Zホールディングス)】

ヤフー(現 Zホールディングス)では、「ESG(環境、社会、ガバナンス)データ集」として、健康関連以外にも「障害者雇用率」や「各種女性比率」、「有給休暇取得率」など多くのデータを公表しています。
参考:Zホールディングス ESGデータ集

②健康白書で取組内容や実績値を公表

健康関連に特化した健康白書を作成して、取組内容や実績値を公表している企業もあります。

また以下の企業も健康白書を作成していますが、ウェブサイト等では公表していません。

  • 古河電気工業(2019年度から作成)
  • 大和証券健康白書

③IR資料などで実績値を公表

ウェブサイトの他に、IR資料などで実績値を公表している企業もあります。

『統合レポート2018』34ページで、「ストレスチェック受検率」など実績4項目を公表【大王製紙】
『サスティナビリティデータブック2018』161ページで、「健診二次検査受診率」など実績9項目を公表【花王】
『サスティナビリティレポート2018』27〜28ページで、「喫煙率」など実績4項目を公表【テルモ】
『サステナビリティレポート2018』22ページで、「健康診断受診率」など実績5項目を公表【リコーリース】


選定企業が行った取組内容 TOP3

35社が健康経営の取組内容として公表している中で、多かった取組内容TOP3をご紹介します。
今回はTOP3が全て同数1位でした。

【同数1位】受動喫煙対策(30社で実施)

30社が実施と公表したのが「受動喫煙対策」です。
今回の「健康経営銘柄2019」から、選定する上での必須項目となりました。

「敷地内禁煙」や「禁煙費用補助」などの対策を掲げる企業が多い中、より高い意識で臨んでいるのがKSKで、「喫煙者の不採用方針の表明」を採用ページで行っています。
私たちKSKが大事にすること

他にも、禁煙外来治療費の補助やリバウンド(再喫煙者)の相談窓口設置、喫煙ルームの廃止といった禁煙施策を実施。
その結果、2013年4月の「禁煙宣言」を行った際には31.4%だった喫煙率が、2015年11月以降0名で維持しています。

【同数1位】運動機会の増進に向けた取組(30社で実施)

同じく30社が実施を公表しているのが「運動機会の増進に向けた取組」。
例えば次のようなイベントが開催されました。

  • 喫煙所があった場所に、卓球台などの運動施設やコミュニティー活動の場を作るなど環境を整備【キヤノン】
  • クアオルト協議会加盟自治体と連携し、全社員を対象にクアオルトプログラムの参加を実施【 SOMPOホールディングス】

【同数1位】従業員への教育機会の設定(30社で実施)

同数1位の3つめは「従業員への教育機会の設定」です。
セミナーの内容としては、次のようなものが多くありました(複数実施)。

  • 健康リテラシー:13社
  • 運動習慣:8社
  • 栄養・食事習慣:8社
  • 生活習慣病対策:7社
  • メンタルヘルス:6社
  • 睡眠改善:5社

選定企業が行ったユニークな取組内容

ここでは「健康経営銘柄2019」選定企業が行った、ユニークな取組をご紹介します。

「EPA/AA比」を測定し健康番付を作成【日本水産】

日本水産では、主要事業の中核であるEPAを健康経営に取り入れました。
循環器系の疾患との関連が示唆される「EPA/AA比」を、2016年の定期健診から測定し、全社平均目標値を0.4と設定。
結果として2016年度が0.29、2017年度が0.35、2018年度が0.38と順調に上昇しました。
また「EPA/AA比」が1.0以上を達成した社員に健康奨励金を支給し、測定結果は個人にフィードバックするほか、部署ごとに集計して健康番付を作成・公表しています。

「健康経営評価融資制度」により地域貢献【広島銀行】

広島銀行では、地元企業の健康経営への取組みを支援・促進するため、「健康経営評価融資制度」を創設しました。
企業の健康経営の取組内容を広島銀行が評価・融資し、評価結果が良ければニュースリリースにより公表するとして、地域貢献が行える商品です。
参考:広島銀行 〈ひろぎん〉健康経営評価融資制度

社員の年代にあった目標を設定【ディー・エヌ・エー】

ディー・エヌ・エーの掲げる運動の目標は「腰痛・肩こりで悩む人を減らす」で、他社の目標とは異なっています。
それは、従業員に合わせた目標設定によるものでした。

この目標設定については、いろんな会社さんにヒアリングさせていただき、従業員の健康診断結果や受診率、BMI(肥満度を示す体格指数)や喫煙率などを目標にしているところが多いとわかりました。しかし、20~30代が多いDeNAでこの目標設定を行っても、社員は関心を示さないだろうなと思い、健康になるとパフォーマンスがあがる、わかりやすい目標の指標を置くことにしました。

大事な仲間たちに健康を広げていきたい~DeNA流 健康経営の取り組み より

「従業員が何に悩んでいるか?」、「どんなことに関心を持つか?」などを考えた上での目標設定が大事だとわかります。


まとめ

今回は「健康経営銘柄2019」選定企業の傾向や、取組事項についてご紹介しました。
それぞれの企業が、自社の従業員に合わせた活動を行っていることがわかります。

ぜひ記事でご紹介した取組内容を参考に、健康経営の推進をなさってみて下さい。

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