2018年2月20日に「健康経営銘柄2018」選定結果が公表されました。
第4回目の健康経営銘柄選定となり、26業種26社が選定されます。
「健康経営」というキーワードが広がり始めたなかで、どのような企業が認定されたのでしょうか。

今回は、「健康経営銘柄2018」選定企業の傾向と、各社の健康経営の取り組みの実例をご紹介します。

Contents

「健康経営銘柄2018」選定企業の傾向

まずは、「健康経営銘柄2018」に選定された企業の傾向をご紹介します。

未上場企業の「健康経営度調査」回答企業数が急増

2017年度は減少した選定企業数ですが「健康経営銘柄2018」では再び増加し、過去最多の26業種26銘柄が選定されました

「健康経営銘柄」選定企業数2018
表1:「健康経営銘柄」選定企業数

未上場企業の「健康経営度調査」回答企業数が急増(「健康経営度調査」回答企業数)

「健康経営度調査」とは、「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人」の選定に使用する調査です。
「平成29年度 健康経営度調査」に回答した企業で、認定基準に適合していれば「健康経営優良法人2018」に認定され、「健康経営」に特に優れている企業は「健康経営銘柄2018」として選定されます。

表2:「健康経営度調査」の回答企業数

上のグラフからわかるとおり、「平成29年度 健康経営度調査」では非上場企業の回答が急増しました。
これは「健康経営優良法人」認定が「平成28年度 健康経営度調査」から始まったことで、「健康経営優良法人」認定を目指す非上場企業が増えたためと思われます。

「健康経営」への取組みが、非上場企業にも広がり始めたことがよくわかる結果です。
(「平成29年度 健康経営度調査」に回答した企業の中から、「健康経営銘柄2018」・「健康経営優良法人2018」が選定されます)

健康経営銘柄 初選定が9社、4年連続が6社(「健康経営銘柄」選定回数)

「健康経営銘柄2018」では、9社が初選定となりました。
また2015年の制度開始以降、花王、TOTO、テルモ、東急、SCSK、大和証券グループの6社が4年連続で選定されています。

選定回数企業数
初選定9 社
2回目6 社
3回目5 社
4回目6 社
表3.「健康経営銘柄2018」選定企業の選定回数と企業数

健康経営宣言

ここからは、選定された26社が実際にどのような取組を行ったのか、実例をご紹介していきます。
まずは各社の「健康経営宣言」です。

「健康経営宣言」の策定

選定26社中18社が「健康経営宣言」を策定し、ウェブサイトなどで公表しています。
他の企業では、「健康づくり」が行動基準や企業理念に含まれていたり、「倫理規範に基づき行動する」と位置づけました。

ベネフィット・ワンJFEホールディングス凸版印刷ANAホールディングスなどでは「健康経営宣言」または「健康宣言」が出されています。

健康経営宣言の内容

「健康経営宣言」内容の実例です。

フジクラの健康経営宣言

フジクラでは、2014年1月1日に健康経営宣言を発表しました。
社員の健康を経営資源のひとつと捉え、組織的に推進する方針を明文化し、社内イントラにも常時掲載しています。

ダイフクの健康経営宣言

2018年4月に健康経営宣言を掲げたダイフクでは、経営層をトップとした「こころと体の健康づくり委員会」を、他社に先駆け2006年に設置し、健康増進施策を行っています。


専任部署の有無

ここでは、健康経営推進の中心となる「専任部署の有無」についてご紹介します。

専任部署をもつ企業は12社

選定企業26社の中で、「専任部署」を持つ企業は12社でした。

  • ホワイト推進室【ベネフィットワン】
  • 健康経営推進室【フジクラ】
  • 健康推進部【丸井グループ】
  • 健康推進デスク【みずほフィナンシャルグループ】

ウェルネス経営推進体制【丸井グループ】

丸井グループは、ウェブサイトでウェルネス経営推進体制の組織図を公表しています。
専任部署の健康推進部では、産業医や保健師を含めた常勤スタッフ6名。
さらに健保組合で医師3名を含めた常勤スタッフ27名と、多くの人員を投入している点からも、健康経営を重要視していることがわかります。

関連部門と連携して施策を実行【凸版印刷】

凸版印刷では企業と健康保険組合による「健康経営推進協議会」を設置。
協議会にて様々な施策を検討し、事業所・診療所などの関連部門と連携して、施策を実行しています。


取り組みの成果と報告

健康経営の成果については、多くがウェブサイトに記載していますが、健康白書を発行している企業やIR資料にも記載しているケースもあります。

①ウェブサイトで実績値などを公表

多くの企業がウェブサイトで成果を数点報告していますが、ユニークなデータを公表している企業もあります。

プレゼンティズムの影響など様々な項目を公表【ANAホールディングス】

ANAホールディングスでは、ウェブサイトで様々な実績を公表。
他企業ではあまり見ない「プレゼンティーズムによる損失」のデータが有り、一人当たり120万円ほどの損失があることがわかります。

出典:ANAホールディングス 健康状態による損失・影響
出典:ANAホールディングス 健康状態による損失・影響

他にも人事関連データとして、「 BMI値適正率」や「喫煙率」などが公表されています。
参考:ANAホールディングス 人事関連データ

健康に対する意識も公表【みずほフィナンシャルグループ】

「定期健康診断受診率」などの実績のほか、2018年度からはアブセンティズムについても調査しているみずほフィナンシャルグループ。
さらに「健康に対する社員意識」についても公表しており、「健康への心掛け」が5段階の「3.9」という結果です。
すでに高い値ですので、今後は健康経営をさらに推進し、従業員の健康意識を下げないことが大切になると考えます。
参考:みずほフィナンシャルグループ 社員の健康増進への取り組みに対する考え方

②健康白書で取組内容や実績値を公表

健康関連に特化した健康白書を作成して、取組内容や実績値を公表している企業もあります。
ただし、「健康経営銘柄2018」選定の活動当時(2017年)には、まだ作成されていませんでした。

また以下の企業も健康白書を作成していますが、ウェブサイト等では公表していません。

また以下の企業も健康白書を作成していますが、ウェブサイト等では公表していません。

  • ダイフク健康白書(2017年から)
  • 大和証券健康白書(2015年から)

③IR資料などで実績値を公表

ウェブサイトの他に、IR資料などで実績値を公表している企業もあります。


選定企業が行った取組内容 TOP3

ここでは、選定26社が健康経営の取組内容として公表している中で、多かった取組内容TOP3をご紹介します。

【3位】受診勧告の取り組み(20社で実施)

20社が実施と公表したのが「受診勧告の取り組み」です。
次のような取り組みが行われています。

  • 健康診断結果に基づいて、全社員の健康リスクを階層化し支援施策を実施【丸井グループ】
  • 定期健康診断は、法定検査項目に独自の検査項目を加えて実施【フジクラ】

【2位】運動機会の増進に向けた取組(22社で実施)

選定企業26社中、23社が実施を公表しているのが「運動機会の増進に向けた取組」です。
例えば、次のようなイベントが開催されました。

  • ANAグループ大運動会【ANAホールディングス】
  • トーナメント方式による職場対抗大縄跳び大会【ダイフク】
  • ノルディックウォーキング体験会【フジクラ】

またスポーツイベントで最も多かったのは「ウォーキング大会」で、花王や塩野義製薬、コニカミノルタ、TOTO、リンナイなど9社で開催と公表されています。

【1位】従業員への教育機会の設定(24社で実施)

最も多い24社が実施と公表しているのが「従業員への教育機会の設定」です。
セミナーの内容としては、健康リテラシーや運動習慣、生活習慣病対策、睡眠改善などがあります。

また丸井グループ、ベネフィット・ワン、SCSKの3社が行っていたのが、「日本健康マスター検定」受験の推奨です。
「健検」とも呼ばれるこの検定は、食・運動・睡眠などを中心に、生活や仕事に即した必要な健康知識・ノウハウといった「健康リテラシー」をはかる検定です。
丸井グループでは合格者の受験料を負担、ベネフィット・ワンでも受験費の補助を行っています。
講師によるセミナーだけでなく、従業員が自発的に学ぼうとする環境づくりも大切なんですね。


選定企業が行ったユニークな取組内容

最後に、「健康経営銘柄2018」選定企業が行った、ユニークな取組をご紹介します。

女性特有の疾病対策を行い「ウィメンズ・ヘルス・アクション宣言」も【ANAホールディングス】

ANAホールディングスでは、2016年度から女性向けの疾病対策を拡充しました。
乳がん早期発見のための「乳腺エコー検査」を健診項目に追加し、女性社員へセルフチェック時に使用する「乳房触診グローブ」の配布など。
また女性特有の健康課題をトータルに考え、行動を起こすため職場のトップが行う「ウィメンズ・ヘルス・アクション宣言」も行っており、女性には働きやすい職場になっています。

㈱フジクラ健康社会研究所を設立し健康経営のさらなる推進へ【フジクラ】

「健康経営銘柄2018」選定後のことですが、フジクラでは健康経営による従業員の健康維持能力・生産性向上を促進させるため㈱フジクラ健康社会研究所を2019年4月に設立しました。
今後は従業員の健康づくりに関するさまざまな情報や経験を共有し、プラットフォーム化していくとのことです。
専門部署どころか研究所まで起ち上げたところに、フジクラの健康経営への熱意が読み取れますね。


まとめ

今回は「健康経営銘柄2018」選定企業の傾向や、取組事項についてご紹介しました。
多くの企業が行っているウォーキング大会は、比較的行いやすいスポーツイベントです。

このようなイベントから行っていくことで、従業員の健康意識を高めていきましょう。

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