「健康経営銘柄2017」の選定結果が2017年2月21日に公表、24業種24社が選定されました。
第3回目となる「健康経営銘柄2017」では、どのような取り組みを行った企業が選定されたのでしょうか。

今回は「健康経営銘柄2017」選定企業の傾向と、各社の健康経営の取り組みの実例をご紹介します。

「健康経営銘柄2017」選定企業の傾向

まずは、「健康経営銘柄2017」に選定された企業の傾向をご紹介します。

選定企業数が2016年から減少(「健康経営銘柄」 選定企業数)

第3回目となる「健康経営銘柄2017」では、前年の2016から1社少ない24社の選定となりました。
「健康経営度調査結果で上位20%」→「財務指標スクリーニング」→「業種のなかで最も高順位」という流れを経てようやく選定される、「健康経営銘柄」の難易度の高さを表していると言えます。

表1:「健康経営銘柄」選定企業数

未上場企業の回答企業数が増加(「健康経営度調査」回答企業数)

「健康経営度調査」回答企業数は年々増加しています。
今回は特に非上場の回答企業数が、前回の6件から116件に増加。
この増加は、新たな制度として「健康経営優良法人」認定が「平成28年度 健康経営度調査」から始まったためで、平成29年度以降もさらに非上場の回答企業数は増えていきます。
(「平成28年度 健康経営度調査」に回答した企業の中から、「健康経営銘柄2017」・「健康経営優良法人2017」が選定されます)

表2:「健康経営度調査」の回答企業数
表2:「健康経営度調査」の回答企業数

健康経営銘柄 初選定が8社、3年連続が9社

また2015年の制度開始以降、花王、TOTO、テルモ、東急、SCSK、大和証券グループ、ローソン、神戸製鋼所、日本航空の9社が3年連続で選定されています。

選定回数企業数
初選定8 社
2回目9 社
3回目9 社
表2.「健康経営銘柄2018」選定企業の選定回数と企業数

健康経営宣言

ここからは、選定された24社が実際にどのような取組を行ったのか、実例をご紹介していきます。
まずは各社の「健康経営宣言」です。

「健康経営宣言」の策定

選定24社中13社が「健康経営宣言」を策定し、ウェブサイトなどで公表しています。
他の企業では、「健康づくり」を経営理念や基本戦略、行動規範などに規定。

バンド−化学サトーホールディングスデンソーなどでは「健康経営宣言」または「健康宣言」が出されています。

健康経営宣言の内容

「健康経営宣言」内容の実例をご覧ください。

味の素の健康宣言

味の素では健康宣言を実行するために、健康維持・管理に特化した「健康管理規程」を制定。
健康管理体制から教育や管理の運用など、細かく規定しています。

ブラザー工業の健康経営理念

2016年9月に健康経営理念を制定したブラザー工業。
子会社や海外の事業所も対象に含め、グループとして健康経営の取り組みを推進しています。


専任部署の有無

ここでは、健康経営推進の中心となる「専任部署の有無」についてご紹介します。

専任部署をもつ企業は14社

選定企業24社の中で、「専任部署」を持つ企業は14社でした。

たとえば、次のような部署を持った企業があります。

  • 健康管理室【大和ハウス工業】
  • 健康管理センター【ブラザー工業】
  • 健康推進部【デンソー】
  • 安全健康福利室【東京ガス】

全社健康経営推進委員会を組織【サトーホールディングス】

健康経営推進責任者・担当者などで構成された、全社健康経営推進委員会を組織するサトーホールディングス。
推進責任者は拠点・部門ごとに健康増進施策を推進し、健康経営サイトで発表することで相互に学び合っています。

「健康協議会」で全社的に健康経営を推進【デンソー】

デンソーでは、専任部署の健康推進部など関連部門によって「健康協議会」を組織し、全社的に健康経営を推進しています。
各職場には、健康増進活動を行う「健康リーダー」を設置。
職場単位で立案した「健康アクションプラン」に沿った健康づくりに取組むことで、従業員の健康意識向上と職場の活性化を図ります。


取り組みの成果と報告

健康経営の成果については、多くの企業がウェブサイトに記載していますが、健康白書を発行している企業やIR資料にも記載しているケースもあります。

①ウェブサイトで実績値を公表

多くの企業がウェブサイトで成果を報告していますが、より詳細なデータを公表している企業もあります。

長期目標「健康ブラザー2025」の実績を公表【ブラザー工業】

ブラザー工業では、2025年までに達成すべき目標を「健康ブラザー2025」として定め、その目標値と実績をウェブサイトにて公表しています。
参考:「健康ブラザー2025」の目標値と実績 【ブラザー工業株式会社】

取組内容と実績を公表【デンソー】

「社員の健康づくり」として、ウェブサイトに健康経営の取り組みを公表するデンソー。
これまでの取組内容とともに、「こころの健康チェック実施状況」や「卒煙キャンペーンなどの参加者数」といった実施状況・実績値も公表しています。
参考:(株)デンソーでの取り組み

②健康白書で取組内容や実績値を公表

健康関連に特化した健康白書を作成して、取組内容や実績値を公表している企業もあります。

ただし、味の素では「健康経営銘柄2017」選定の活動当時(2016年)には、まだ作成されていませんでした。

また大和証券では2015年から健康白書を作成していますが、ウェブサイト等では公表していません。

  • 大和証券健康白書(2015年から)

③IR資料などで実績値を公表

ウェブサイトの他に、IR資料などで実績値を公表している企業もあります。


選定企業が行った取組内容 TOP3

ここでは、選定24社が健康経営の取組内容として公表している中で、多かった取組内容TOP3をご紹介します。

【3位】従業員への教育機会の設定(20社で実施)

20社が実施と公表したのが「従業員への教育機会の設定」です。
集合研修とe-ラーニングのどちらも行われています。

  • 健康づくり講演会 4〜3月に40回開催し、1,452名が参加(2018年度)【東京ガス】
  • 「適正糖質セミナー」を開催し実施回数:19回、参加者数:251名(2018年度)【味の素】
  • 社員への情報提供啓発を行う「健康E-learning」【サトーホールディングス】
  • 全従業員対象のe-ラーニング【ブラザー工業】

【2位】受動喫煙対策(21社で実施)

選定企業24社中、21社が実施を公表しているのが「受動喫煙対策」です。
各社が様々な取り組みを行っているなか、大京では次のような施策を行いました。

  • 2014年6月~ 「大京グループ禁煙週間」を設定:世界禁煙デーに合わせ、就業時間内の全事業所での喫煙禁止
  • 2016年5月~ 禁煙サポート:禁煙を希望する社員支援として、卒煙達成者に禁煙外来治療費1万円を補助
  • 2017年10月~ 全国約400拠点のグループ全事業所にて、「紙巻たばこ」の喫煙を終日全面禁止
  • 社内イベント、セミナーの開催

【1位】運動機会の増進に向けた取組(22社で実施)

最も多い22社が実施と公表しているのが「運動機会の増進に向けた取組」です。
次のようなイベントを実施しています。

  • 自社製の映像エクササイズコンテンツ『JOYBEAT(ジョイビート)』を利用した活動【ブラザー工業】
  • 昼休みや終業後の時間を活用し、暗闇ヨガなどを体験できる「フィットネス体験教室」を開催【デンソー】
  • 医療機関と連携したメディカルフィットネス施設と法人契約し、従業員のアクティブライフのサポート【バンドー化学】

選定企業が行ったユニークな取組内容

最後に「健康経営銘柄2017」選定企業が行った、ユニークな取組をご紹介します。

医療専門職が従業員全員と年1回の個別面談【味の素】

味の素では、最低でも年1回、産業医・保健師・看護師が非正社員を含む全従業員と、30分の個別面談を行っています。
健診結果に基づく疾病予防指導や、作業環境・業務負荷などのヒアリング、メンタルヘルス不調のスクリーニングを実施。
この「全員面談」はすべての不調発見の入り口となり、適切な保健指導と従業員の健康確保につながります。

毎年行われることで、医療専門職員が各従業員や部署ごとの動向がつかみやすくなり、従業員も相談がしやすくなるなど、「ポピュレーションアプローチ」の理想的な取り組みと言えますね。

「わたしの健康目標」を提出した社員に「健康増進アクション手当」を支給【サトーホールディングス】

「全員参画」をキーワードに、現場主導の健康づくり体制を構築するサトーホールディングス。
年に1度「わたしの健康目標」を提出した社員に対して、毎月「健康増進アクション手当」として2,000円を支給しています。
年度末には各自が振り返りを行い、翌年度の健康目標に反映させるなど、健康PDCAサイクルを回しています。

また、ウェブサイトでは最高健康経営責任者の笹原氏が「わたしの健康目標」を公表しています。

健康経営指標「生活習慣スコア」の設定【デンソー】

デンソーでは、オリジナルの健康経営指標である「生活習慣スコア」を設定しています。
「生活習慣スコア」は、健診結果と問診データをもとに個人の生活習慣レベルを点数化した、独自の健康指標として、全社平均値を会社目標のひとつにも設定。
属性・生活習慣による特性・経年変化を示すことで、スコア改善に向けた取り組みを推進します。
また専用アプリ「デンソー健康ステーション」を自社開発するなど、健診結果や歩数、栄養摂取の個人データの見える化も進めています。


まとめ

今回は「健康経営銘柄2017」選定企業の傾向や、取組事項についてご紹介しました。

従業員のヘルスリテラシー向上に欠かせない研修ですが、集合研修を行うのが難しいようであれば、e-ラーニングを行うなど、実施する方法も多くあります。
企業の実態に合わせて、今できるところから健康経営を始めていきましょう。

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