「健康経営銘柄2015」の選定結果が2015年3月25日に発表され、22業種22社が選定されました。
第1回目となる今回はどのような企業が選定され、またそれぞれの企業ではどういった健康経営の取り組みを行ってきたのでしょうか。

この記事では、「健康経営銘柄2015」選定企業の傾向と、各社の取組内容の実例をご紹介します。

Contents

「健康経営銘柄2015」選定企業の傾向

まずは、「健康経営銘柄2015」に選定された企業の傾向をご紹介します。

22業種22社を選定(「健康経営銘柄」 選定企業数)

第1回目となる「健康経営銘柄2015」では、22業種22社を選定されました。

また「健康経営銘柄」選定に使われる「健康経営度調査」回答企業数は、国内全上場企業数3,561社中493社でした。
「健康経営優良法人」制度もまだ開始されていないため、調査には非上場企業は含まれていません。

回答企業数が増加(「健康経営度調査」回答企業数)

今回「平成26年度 健康経営度調査」に回答したのは、上場企業493社でした。
そのなかで「健康経営銘柄2015」に選定された企業は22社ですから、確率はわずか4.5%です。

「健康経営銘柄」に選定されることがいかに難しいかが、よくわかりますね。
(「平成26年度 健康経営度調査」に回答した企業の中から、「健康経営銘柄2015」が選定されます)


健康経営宣言

ここからは、選定された22社が実際にどのような取組を行ったのか、実例をご紹介していきます。
まずは各社が最初に取り組む「健康経営宣言」です。

「健康経営宣言」の策定

「健康経営銘柄2015」選定時点で健康経営宣言を行っていたのは、次の3社でした。

またこちらの企業では、「健康経営銘柄2015」選定後に健康経営宣言を制定しています。

健康経営宣言の内容

「健康経営宣言」内容の実例をご覧ください。

花王の健康宣言

2008年、他社に先駆けて健康宣言を行い、社内外に発信した花王。
以来、人材活用のベースとなる健康支援・健康づくりを推進して、健康経営に取り組んでいます。

コニカミノルタの健康宣言

コニカミノルタの健康宣言は、2014年4月に制定されました。
さらに健康第一の風土を醸成するための「会社の基本姿勢」と「従業員の意識行動」を取り決め、健康経営を推進しています。


専任部署の有無

ここでは、健康経営を進める中心となる「専任部署の有無」についてご紹介します。

専任部署をもつ企業は8社

選定企業22社の中で、「専任部署」を持つ企業は8社です。
たとえば、次のような部署を持った企業があります。

  • オールウェル計画推進室【ロート製薬】
  • 人材戦略室【東急】
  • JAL健康管理部【日本航空】
  • ライフサポート推進部【SCSK】
  • 人事本部社員健康チーム【ローソン】
  • 人事部健康経営推進課【大和証券グループ】

社員自身の健康を増進することでお客さまへ安心・健康を届ける【第一生命保険】

第一生命保険では、社長直轄となる「DSR推進委員会」の下に「ワーク・スマート専門委員会」を設置して健康経営を強力に推進しPDCAを運用しています。また「社員自身の健康を増進することで、お客さまへの安心・健康を届ける」ための体制を整備しました。

ASICS WELL-BEING体制【アシックス】

健康経営を遂行するために「ASICS Well-being」体制を立ち上げたアシックス。
「従業員の健康」は最も大切な要素と位置づけて、より健康的な生活の実現を目指して取り組んでいます。


取り組みの成果と報告

健康経営の成果については、多くの企業がウェブサイトに記載していますが、健康白書を発行している企業やIR資料にも記載している企業もあります。

①ウェブサイトで実績値などを公表

多くの企業がウェブサイトで成果を報告していますが、ユニークなデータを公表している企業もあります。

「社員の生活スタイル」を指標にして公表【大和証券グループ】

大和証券では、「社員の生活スタイル」を指標にして、健康経営取組の成果として公表しています。
「運動」や「睡眠」などの増加すべき指標は増加し、「遅い時間の夕食」や「毎日の飲酒」など減少すべき指標は下がっており、健康経営の成果がはっきりと表れています。

創業当時からの「健康経営の取り組み」を公表【ロート製薬】

ロート製薬のウェブサイトでは、創業当時からの「健康経営の取り組み」を公表しています。

最も古いのが1959年の「芝生やプール等を備える『ロートユートピア』として大阪本社設立」です。
また、健康増進の専任部署「オールウェル計画推進室」発足が2004年と、他社と比べてもかなり早い時期から、健康経営を行ってきたことがわかりますね。
参考:これまでの健康経営の主な取り組み【ロート製薬】

②健康白書で取組内容や実績値を公表

健康関連に特化した健康白書を作成して、取組内容や実績値を公表している企業もあります。
ただし、「健康経営銘柄2015」選定の活動当時(2014年)には、まだ作成されていませんでした。

  • ローソングループ健康白書(2016年から)
  • ASICS WELL-BEING REPORT(2018年から)
  • 味の素グループ健康白書(2019年から)

また大和証券では2015年から健康白書を作成していますが、ウェブサイト等では公表していません。

  • 大和証券健康白書(2015年から)

③サステナビリティレポートで取組内容を公表

花王では、ウェブサイトの他にサステナビリティレポートで取組内容を公表しています。

『サステナビリティレポート2014』では取組内容まで、2018からは実績も公表【花王】


選定企業が行った取組内容 TOP3

ここでは、選定22社が健康経営の取組内容として公表している中で、多かった取組内容TOP3をご紹介します。

【3位】受診勧奨の取り組み(14社で実施)

選定企業22社中、14社が実施を公表しているのが「受診勧奨の取り組み」です。
次のような取り組みが実施されています。

  • 各種健診を統合した健康診査プラン、定期健診で所見のあった社員に送付し医療機関受診の促進を行う「イエローペーパー」、人間ドックの対象を35歳以上とし健保組合が補助【大和証券グループ】
  • 生活習慣病に関する受診項目対象年齢を「35歳以上」から「30歳以上」に引き下げ、より多くの従業員を対象に生活習慣病予防を強化【アサヒグループホールディングス】
  • 全額会社負担による1日人間ドックの受診「コベルコメディカルチェック50」、全額健保負担での全女性従業員対象に「子宮がん検診」や「乳がん検診」の実施【神戸製鋼】

【2位】受動喫煙対策(15社で実施)

15社が実施と公表し、2位だった取り組みが「受動喫煙対策」でした。
大きく分けて、2つの対策が各企業で行われます。

  1. 事業所内の分煙・禁煙化:ロート製薬、ブリジストン、川崎重工業、テルモ、アシックス、東急、
  2. 従業員の禁煙・卒煙支援:アサヒグループ、東レ、花王、ロート製薬、TOTO、神戸製鋼、川崎重工業、アシックス、日本航空、SCSK、丸紅、大和証券

【1位】保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み(16社で実施)

最も多い16社が実施と公表しているのが「保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み」です。

そのなかでも、ロート製薬とアシックス、広島ガスが実施するのが、保健師などによる「全従業員との年1回の面談」。
健康状態の確認・指導を定期的に行なえ、悩みや不安を相談することでメンタルヘルスにも役立ちます。
ロート製薬では全従業員面談の取り組みを、2008年から実施していました。


選定企業が行ったユニークな取組内容

最後に、「健康経営銘柄2015」選定企業が行った、ユニークな取組をご紹介します。

従業員と家族を対象にした健康づくり「カワサキ健康チャレンジ」【川崎重工業】

川崎重工業が取り組んだのは、従業員とその家族を対象に、食事・運動教育や健康的な生活習慣を身につけるための運動「カワサキ健康チャレンジ」です。
「カワサキ健康チャレンジ」は、会社・労働組合・健保組合の三者共催で毎年開催。

食生活改善や運動不足解消、睡眠、禁煙などのコースを選び、毎日達成した分を記録していきます。
チャレンジ終了後に記録表を提出すると、「Pepポイント」がもらえ、そのポイントに応じて商品と交換が行えるという仕組みです。
参考:川崎重工業健康保険組合 カワサキ健康チャレンジ

「ウォークビズ」など3つの取り組みで「歩く」の習慣化【東急】

次の3つの取り組みを連動させることで、全従業員の「歩く」の習慣化に力を入れているのが東急です。

  1. ウォークビズ:スニーカーなど歩きやすい靴での通勤・勤務を推奨
  2. ウォーキング大会の開催:毎年10月頃に開催し、毎回約700名の従業員やその家族が参加
  3. 職場対抗ウォーキング選手権の開催:健保組合が推奨する歩数計アプリを利用し、職場単位で歩数を競い合う

「将来の疾病リスク」を数値で提示【コニカミノルタ】

コニカミノルタが実施するのは、健診データから算出した「将来の疾病リスク」を数値で提示すること。
健康管理の専門部署と、健保組合との一体運営(コラボヘルス)によって実施可能となりました。
「将来の疾病リスク」が数値で提示されれば、従業員が自身の健康状態を把握しやすくなり、生活習慣改善を後押しします。

このようにコラボヘルスによって、「データの見える化」と「きめ細かい個別指導」が可能となりました。


まとめ

今回は「健康経営銘柄2015」選定企業の傾向や、取組事項についてご紹介しました。

一度選定された企業でも、連続して選定されることは難しいのが「健康経営銘柄」制度のようです。
しかし選定を目指して健康経営を始めることは、確実に従業員のモチベーションアップにつながります。

ぜひ今回の記事で、実施できそうな取組内容を探してみて下さい。

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