企業が新たな設備投資などを検討する際、資金調達の手段としてビジネスローンを活用することがあります。
しかし、赤字決算の状態でビジネスローンを利用できるのか、不安に思う経営者も少なくないでしょう。
本記事では、ビジネスローンの特徴や、赤字決算時の利用可否、そして資金繰りを円滑にするためのポイントについて詳しく解説します。
法人向けビジネスローンとは何か?
ビジネスローンは、企業が資金調達を行う際に利用できる金融商品の一種です。
このローンは、銀行だけでなくノンバンク系の金融機関からも提供されています。
一般的に、ビジネスローンは設備投資や運転資金など、事業活動に必要な資金を迅速に確保する手段として利用されています。
手元資金が不足している場合でも、迅速な資金調達が可能となり、ビジネスチャンスを逃すことなく事業を展開することができます。
広い意味では銀行融資もビジネスローンの一部
ビジネスローンは銀行融資と比較されることが多いですが、広義には銀行融資もビジネスローンのカテゴリーに含まれることがあります。
銀行からの融資は、一般的に低金利で長期の返済が可能な借入手段とされています。
しかし、低金利である反面、審査が厳しく手続きが複雑になることがあります。
借入れを行い返済するという仕組み自体をローンと呼ぶため、銀行融資もビジネスローンの一種と考えることができます。
ビジネスローンと銀行融資の相違点
広義では銀行融資もビジネスローンに含まれることがありますが、実際には別の資金調達手段として認識されています。
主な違いは、提供元の金融機関と審査の速度にあります。
ビジネスローンは主にノンバンク系の金融機関から提供されており、審査が迅速で、最短で即日融資が可能な場合もあります。
一方、銀行融資は銀行が提供するもので、低金利で長期の返済期間を設定できる反面、審査に時間がかかることが多いです。
即時の資金調達というよりも、中長期的な事業計画のために利用されることが一般的です。
赤字決算でもビジネスローンは借りられるのか?
それでは、企業が赤字決算の場合、ビジネスローンを利用することは可能なのでしょうか。
赤字でも融資が受けられるケースがある
赤字決算であっても、必ずしも資金調達が不可能になるわけではありません。
ビジネスローンでの資金調達が可能な場合もあり、特に企業の将来性や具体的な経営改善策が評価されれば、金融機関が前向きに検討することもあります。
融資の可否は金融機関の判断
どのような融資でも共通していますが、最終的な融資の可否は金融機関の判断によります。
赤字状態でビジネスローンを申し込む場合、金融機関はその資金調達がマイナスを補填するためのものか、将来の成長への投資かを慎重に見極めます。
審査では、その資金使途が適切であり、返済能力があるかを総合的に判断します。
返済能力に疑問がある場合、融資が断られることもあります。
赤字決算だからといって貸し渋りとは限らない
赤字決算の企業でも、十分な成長見込みや具体的な改善計画があれば、ビジネスローンの利用が可能な場合があります。
そのため、融資が受けられなかった場合でも、それが「貸し渋り」によるものとは言い切れません。
AI審査では赤字の内容次第でチャンスがある
AIを活用した審査を行っている金融機関では、赤字の原因や内容によってはビジネスローンの審査が通る可能性があります。
AI審査では、企業の財務データや将来の成長性を総合的に分析し、赤字の背景を考慮して審査が行われます。
また、人間の感情に左右されない客観的な審査が行われるため、公平な判断が期待できます。
一時的な赤字なら審査通過の可能性が高い
一時的な要因で赤字になっている場合、ビジネスローンの審査に通る可能性が高まります。
例えば、季節的な売上の変動や一時的な投資による赤字であれば、金融機関は将来的な収益性を評価して融資を検討します。
創業間もない場合もチャンスがある
設立して間もない企業でも、ビジネスローンを利用できる可能性があります。
将来性のあるビジネスモデルや、具体的な事業計画を提示できれば、金融機関は赤字を一時的なものと捉え、融資を前向きに検討することがあります。
赤字決算でビジネスローンを利用するためのポイント
赤字決算の企業がビジネスローンの審査を通過するためには、以下の点に注意することが重要です。
明確な経営改善計画を提出する
具体的な経営改善計画を作成し、金融機関に提出することは非常に重要です。
計画には、現在の課題とその解決策、将来の収益見通しなどを詳細に記載します。
これにより、金融機関は企業の将来性を正確に評価することができます。
返済能力を証明する資料を用意する
金融機関に対して、返済能力があることを示す資料を提出することも重要です。
過去の売上実績や現在進行中の契約、将来の収益予測など、具体的な数字を提示することで信用度が高まります。
他の借入を可能な限り返済しておく
他社からの借入が多い場合、審査で不利になることがあります。
可能な限り既存の借入を返済し、財務状況を健全化しておくことが望ましいです。
資金繰り計画を詳細に作成する
詳細な資金繰り計画を作成し、金融機関に提出することで、資金の使途や返済計画を明確に示すことができます。
これにより、金融機関は安心して融資を検討することができます。
また、資金繰り計画を作成することで、自社の資金状況を客観的に把握し、適切な資金調達やコスト削減策を講じることができます。
ビジネスローン以外の資金調達方法
ビジネスローン以外にも、企業が利用できる資金調達の手段は多数あります。
これらの方法を組み合わせることで、資金繰りを改善し、事業を安定させることが可能です。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は、中小企業やスタートアップ企業を支援するための政府系金融機関です。
低金利で長期の融資が受けられるため、資金繰りの改善や設備投資に活用できます。
不動産を活用した担保融資
不動産を担保に資金を借り入れる方法です。
高額な資金を低金利で調達できるメリットがありますが、返済が滞ると不動産を失うリスクも伴います。
ファクタリングによる資金調達
ファクタリングは、売掛金を専門業者に売却し、即座に現金化する資金調達方法です。
売掛金の入金を待つことなく資金を得ることができ、資金繰りの改善に役立ちます。
また、資金調達の手段として迅速かつ柔軟に対応できるため、急な資金需要にも対応できます。
まとめ
ビジネスローンは、企業が資金調達を行う上で有効な手段ですが、赤字決算の場合には慎重な対応が求められます。
金融機関からの融資を受けるためには、具体的な経営改善策や返済計画を明確に示すことが重要です。
また、他の資金調達方法も検討し、自社に最適な手段を選択することが、資金繰りの安定と事業の成功につながります。